【手術室に配属された看護師向け】配属したてでぶつかる3つの悩みとその解決法!

こんにちは!

今回は新卒で、もしくは異動で手術室に配属されることになった看護師に向けて、

手術室で勤務し始めた頃に出てくる悩みとその解決法を書いていきます!

自分自身も6年ほど前にICUから唐突に手術室への異動を言い渡され、

「まだICUのことも大して分かってないのに・・・」

と途方にくれながら先輩に愚痴を聞いてもらった経験があります。

異動してからはストレスのためか3~4キロほど痩せました。徐々に元に戻りましたが。

手術室というのは病院で働く看護師の中ではかなり特殊な業務になります。

なのでもちろん病棟での勤務とは全然違うし、悩む所も全く違います。

そしてなんか手術室って独立した機関みたいなイメージが病院の中であって、

実際の内情がイメージしにくいです。情報もあんまり出てこない。ドラマとかで見るくらい。

そんなところへの配属となると不安にもなりますよね。

この記事を見て少しでも手術室の内情がイメージ出来、不安が軽減すると幸いです。

 

手術室看護師の特徴

まず手術室看護師の特徴についてざっくり書いておきます。

手術室看護師は、全身麻酔で意識が無くなった患者の身の周りの世話を行うと同時に、

手術を行う医師の介助、麻酔管理を行う麻酔科医の介助を行う業務です。

「傷病者の身の回りの世話と診療の補助を行う」という看護師の定義と本質的には一緒ですね。

ただ病棟の看護師と多くの点において違いがあります。

いくつか挙げます。

  • ほとんどの患者は全身麻酔で意識が無いため会話をする機会がほぼ無い
  • 患者の手術体位を取ったり、麻酔科医や術者が必要とする薬剤や材料の準備を行うのは外回り看護師と呼ばれる
  • 術者のすぐ近くで一緒に滅菌ガウンを着用し、使う器械や材料を直接渡すのは器械だし看護師と呼ばれる
  • 外科系のほぼ全科の手術に入る(病院によっては一部の科のみに入る場合もある)

などです。

分かりやすい例で言うと

器械だし看護師というのは医療ドラマで医師が「メス!」と言った時に「はい」って渡してる人ですね。

外回り看護師は出血している時に「輸血準備!」て言われて「はい!」て取りに行ってる人です。

分かりますかね?(笑)

「手術」という患者にとっての一大イベントの時に一番近くにいるのが手術室看護師です。

 

配属されて出てくる悩みと解決法

本題に入ります。

手術室に配属されたばかりの頃にぶつかる3つの悩みと、それについての解決法を書いていきますね。

仕事が出来るようになっている気がしない:一通り出来るようになるまで2~3年はかかるので気にせず目の前のことを一つずつやろう

これは自分がしばらく感じていた悩みです。

他の病棟は1~2ヶ月もすれば大体の仕事の流れが理解でき、動けるようにもなってきます。

でも手術室はどうでしょう。

1~2ヶ月くらいじゃまだ先輩のサポートが無いとまともに医師と会話が出来ません。

そして必死に勉強していても次々と新しい疾患、術式にあてられるため、ず~っと勉強をし続けないといけません。

こんなに勉強してるのに全然出来るようになってる気がしない・・。

病棟の同期はもバリバリ仕事出来始めてるのに・・。

新卒の場合はこんな感じで自分のモチベーションを保つのが難しいかもしれません。

異動してきた場合も、

病棟ではバリバリやってたのに全然勝手が違う・・。

早く色々出来るようになりたいけど全然進まない・・。

と、仕事が出来ない自分にもどかしさや情けなさのようなものを感じてしまうかもです。

自分もそんな感じでしたし、異動してきた人は皆そう言っていました。

でもそれはとてつもなく仕方のないことなのです。気にすることありません。

病棟では疾患の違いはあれど、一日の業務の大まかな流れはそう変わりません。

なので1~2ヶ月もあれば流れや業務はある程度掴めてくるでしょう。

でも手術室では、症例によって流れも業務も全く異なります。

それらを一つずつ覚えて身につけていくのは、とても大変です。

それこそ症例を実際に経験して頭に入れなければスムーズに動けるようにはなりません。

それを全部経験するのにはとても長い時間がかかります。

なので異動したての時に出来ない自分を卑下してもどうしようもないのです。

辛いのは間違いないですし、ストレスで症状が出たりするかもしれません。

自分も実際本当に辛かったですし、前にも書いた通り体重もかなり減りました。

でも先輩たちから、「半年くらい頑張ってみたらちょっとは変わるよ」

という言葉を信じてひたすら仕事して勉強していました。

実際そのくらい経ってくると、段々と出来ることが増えてきます。

新しい症例に入るにしても今までの知識で応用できる部分も出てきて、

勉強する量も最初の頃ほどでは無くなってきました。

この段階まで来ると、少し手術の流れみたいなものが把握出来てきて、

次に考えられる動きや必要な物品が先読み出来るようになってきます。

そうなってくると手術室看護師としてのやりがい、楽しさが出てくるでしょう。

なのでその域までは必死に頑張ってもらいたいなと思います。

器械、材料が多すぎて名前が覚えられない:使用用途で分類したり、名前から使い方を連想したりしながら根拠を持って覚えていこう

手術室にきたばかりで最も大変なのがこれじゃないかと。

とにかく使うものが多すぎて覚えられない

そもそも器械と材料の違いも分からなかったりしますよね。

ざっくり書きますと

器械:

  • 鋼製の道具であり、術野において患者の組織を扱う時に使うもの。
  • 用途に応じて様々な形の鉗子やセッシ(ピンセットの様なもの)があり、扱う組織で使い分ける。
  • 滅菌をすることで繰り返し使用出来る。

器械というのは医師にとって、ご飯を食べる時の箸とかスプーンみたいなものかと。それぞれ食べやすい道具を使うように、扱う組織ごとに適切な器械を使い手術を進めていきます。

材料:

  • シーツやガーゼ、開創用のリトラクターなど、手術を進め、必要な処置を施していくために必要な物品。
  • 用途が明確なものが多く、術式によってはこれは必ず必要!といったものが多い。
  • メーカーによって滅菌されている商品であり、原則1回きりの使い捨て。

材料は言わばプラモデルのパーツのようなものでしょうか。パーツが足りないとプラモデルは完成しないように、ほとんどの場合、その材料が無いと手術が完遂出来ません。

器械、材料ともに手術の科や術式によって使用する内容が異なるため、

初めのうちは新しい症例につくたびに混乱してしまうかもしれません。

器械出し看護師を経験するうちに器械や材料の名前はある程度覚えていきますが、

(信じられないかもですが絶対覚えられます。繰り返し経験すると頭に染み込みます)

外回りから先に経験するという病院もあり、その場合にはなかなか場面場面で必要な材料が覚えられません。

自分の病院も外回りから始めたため、先輩のサポートがしばらく必要な状況でした。

配属したての頃の覚え方としては

器械は使い方でおおまかに分類して覚える

器械には本当にたくさんの種類がありますが、

科は違えども使う器械の用途にはパターンがあります。

例えば皮膚などの硬い部分を持ちたい時には先端に鈎のついた器械

腸などの柔らかいものを持ちたい時は先端が優しい造りになっている器械

といった具合です。

また用途は一緒でもサイズや先端の形が違うことで名前が異なる、というものもあります。

例えばペアンは主に組織を剥離するための道具ですが、サイズの大きいケリー、先端が直角になっている直角鉗子なども同じ剥離する道具です。

こういった用途の同じものをまとめて覚えると、何となく使うタイミングがイメージ出来てくると思います。

お腹を開ける系の手術においては科の違いはあっても使う器械はそこまで大きく変わらないので、ある程度の応用は効きます。

器械が細かい耳鼻科や眼科はとりあえず次のステップって感じです。

材料は名前から使い方を想像する

材料は器械よりもだいぶ覚えるのが厄介です。

種類が半端ないですしピンポイントでしか使わないものも多い。

お腹を開ける系の手術ではそこまで使う材料はないのですが、

腹腔鏡といってカメラをお腹に入れて行う手術や、泌尿器で尿道からカメラを入れて行う手術などでは様々な材料を使います。

その中で、名前から使い方を想像するという方法は、自分の頭の中にスッキリと入りやすくなるため効果的です。

材料の名前はけっこうシンプルに使い方を表しているものがあります。

名前から使い方を想像するくせをつけることで、なんとなーく初めて見る道具でも使い方がイメージできるようになります。

もちろんわけの分からん名前のものもありますが(笑)

これは最初の頃だけでなく、新しい症例についたりする度に実践していくべきです。

例えばアオルタパンチという心臓外科で使う道具はアオルタ(大動脈)に穴を開ける(紙に開けるやつをパンチといいますよね)ためのもの。

整形外科で使うボーンソーという道具はボーン(骨)用のソー(刃、のこぎり)

〇〇リトラクターという名前がついているものは、リトラクト(引っ込ませる、後ろに引っ張る)するためのもので、組織を引っ張って避けたりして視野を確保するのに使う

といった具合です。

これは簡単な例なのでもちょい分かりにくいものもありますが、

けっこうその道具を使う部位に関連したものや、用途から名前がついているものが多いので、

それを考えながら材料を見ていくと

あーなるほどね!だからこういう名前か!

みたいなスッキリする感覚が出てくるはずです。

いずれにしても、使う器械や材料の使い方を名前とセットで覚えるのはとても重要です。

名前だけ覚えてても応用が効きませんしすぐ忘れます。

もちろん何回も経験する中で見て名前も使い方も覚えていけると思いますが、

始めのうちから意識をしておくことで成長のスピードは全然違ってくるはずです。

自分も異動したての時は、色んなことが分からない状況を早く抜け出そうと思い、意識をして材料とかを覚えるようにしていました。

自分が動けるようになってきているという実感を早く得るためにも重要と思います。

解剖と術式の勉強が難しい:術式の内容を絵で書いてみよう!

これは配属したてとか関係なくずっと続く悩みです。

人間の身体って本当に複雑です。人体の神秘とはこれまさに。

医者の先生方は本当に解剖をしっかり理解して手術をしているわけで、

手術につく看護師ももちろんある程度の知識は無いと話についていけません。

(血管やら神経全部覚えるのは厳しいですが)

ただ先生たちは自分の科の解剖を専門的に勉強すればよいですが、

複数の科の手術に入る手術室看護師は、それぞれの科の解剖を理解しないといけないので

ぶっちゃけめちゃくちゃ大変です。

先生たちほどの知識は必要ないと思いますが、術式で扱う血管や組織、外科などの場合は再建方法(腸などを切ったりした後にどうやって繋ぐのか)くらいは把握しておきたいところです。

そんな中で自分がやってきた勉強法は

手術の術式を絵に書いてみる

というものです。

主に外科とか心臓外科とかの分野ではありますが、

腸や血管を切って繋げたりする(再建といいます)のには様々な方法があります。

それは患者の特性や術式によって変わるもので、ある程度事前に決まっており、

実際の手術中に先生が妥当か判断して実施しています。

それらの再建方法によって使う道具も変わるため、看護師も術野の流れに合わせて判断し対応する必要があります。

それを頭の中に入れるために、予定の再建方法を絵に書いてみましょう。

最初は参考書などを見ながらでも構いません。

流れの中でどんな道具を使うのかも一緒に書いていきます。

そしてそれが実際の手術の中でどのように進んでいくのかを見ましょう。

そうすることで自分で書いたものを実際と照らし合わせることができます。

答え合わせをする感覚ですね。

書いたものは自分自身のカンペにもなりますし、繰り返し書くことで自分の頭にも入っていきます。

自分もファイルに術式の絵を書いたノートを挟んでお守りみたいに持ち歩いてました。

段々ノートも見なくなっていきましたが、それは自分の頭に入ったということでしょう。

術式の絵を何も見らずに書けるようになるのが目標ですね。

 

まとめ

以上、手術室に配属したての人がぶつかる悩みについて書いてきました。

まとめると、

  • 仕事が出来るようになっている気がしない:1人前まで軽く2~3年はかかるので気にせず目の前のことを一つずつ!まずは半年!
  • 器械、材料が多すぎて名前が覚えられない:覚える時は使い方とセットで!名前からも想像しながら根拠を持って覚えていこう!
  • 解剖と術式の勉強が難しい:術式を絵で書いてみよう!使う道具も一緒に書いたらカンペにもなる!

といった所です。

他にも分からないことや慣れないこともたくさんあるでしょうが、経験をしていく中で確実に出来ることは増えていきます。

ここに書かれていることが少しでも手術室に配属されたあなたの道標になれば嬉しいです。

病院によっては症例のマニュアルや、新卒、異動者向けの資料をしっかり用意してくれているところもあるでしょう。

それは大いに活用するべきですし、手術室における効果的な教育体制は働くスタッフのストレス軽減にも大きくつながると思います。

むしろそれがとても重要!あなたの病院がそんな環境であることを願います。

今回は以上です!

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